日本語指導と絵本

私が担当している児童は、みんな小学一年生。一回2コマ(45分×2コマ)の指導をしています。
休み時間があるとはいえ、日本語を2時間勉強する集中力は6、7歳の子にはなく集中力を持続させるのは難しい。というわけで、今回は絵本を使った授業の話。

先日の授業で寝るのが遅かったらしくフィリピンから来たAちゃんがあくびをしています。
そこで小道具。朝かばんに忍ばせておいた絵本を取り出してAちゃんに見せました。

指導員「今度は、これ、読んでみようか?」Aちゃん「なにー?(目がきらきらっ)」

おいしそうなお菓子や料理がたくさん描かれていてそれが50音順に出てくる絵本。眠そうにしていたAちゃんが目をイキイキとさせて、ページをめくりはじめました。本を声に出して読みながら「これ、だーいすき」とか「これ、きらい」とか言っています。おすし、グラタン、カレーライス、とんかつ、ラーメン、だんご、ショートケーキなど。
*さいとうしのぶ作「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」(リーブル)
ehon_acchan

子どもが日本語を理解して使えるようになる日本語の教科書も大切ですがたくさんの日本語に触れ、言葉だけでなく日本の文化も垣間見ることができる絵本も貴重です。おうちでも、絵本、お子さんと一緒に読んでみてください。
書いてあることがすべてわからなくても、おもしろい、もっと知りたいと思うことが日本語を学びたいという原動力になるのです。公共図書館の絵本コーナーに行けば、好みのものがきっと見つかります。

以前、給食室の前をAちゃんと一緒に通ったとき、その日の給食がガラスケースに入っていました。
その中のシチューを見て、「グラタンきらい!」と言っていたAちゃん。たしかにグラタンとシチューは似てるよね。この絵本でグラタンとシチューの違い、わかったかな。

グローバルラングのサービス一覧